#norelated #contents *MS 概要 [#ca9a2316] **症状 [#k1babd82] -視神経炎 視神経が侵され視力が低下したり、視野が欠けたりします。球後視神経炎の場合は目の奥に痛みを感じることがあります。 -脳幹障害 脳幹が障害されると、目を動かす神経が麻痺してものが二重に見えたり、目が揺れたり、顔の感覚や運動が麻痺したり、食べ物が飲み込みにくくなったり、しゃべりにくくなったりします。 -小脳障害 小脳が障害されると、まっすぐ歩けなくなり、 手が震えたりします。 -大脳障害 大脳は少々の病変が起きても症状が出ないことが多いです。 -脊髄障害 脊髄が障害されると、胸や腹の帯状のしびれ、ぴりぴりとした痛み、手足のしびれや運動麻痺、尿失禁、排尿障害などが起こります。 --有痛性強直性痙攣 脊髄障害の回復期に手や足が急にジーンとして突っ張ることがあります。 -ウートフ徴候 熱めの風呂に入ったりして体温が上がると、一過性にMSの症状が悪くなる場合があります。 **原因 [#g1b71d3e] 原因は不明ですが、ウイルスや何らかの抗原が引き金になって、自分の組織を攻撃する自己免疫反応が起こるのではないかと考えられています。また、遺伝も何らかの役割を担っている可能性があります。 多発性硬化症を発症した人の多くは、体が自分の組織と異物を見分けるときの目印になるタンパク質の遺伝マーカー(ヒト白血球抗原)のある種のタイプHLA-DR2をもっています。 **診療科 [#t61ea7c4] 神経内科 眼科 **検査 [#q8ac4d8f] -腰椎穿刺 脳の病変部位に炎症がありますので、脳脊髄液に炎症反応の有無を調べます。 腰の部分に針を刺して脳脊髄液をとって調べます。 --所見 急性期ではリンパ球数の増加、蛋白質の増加、免疫グロブリンIgGの増加などが見られます。 また髄鞘の破壊を反映して髄鞘の成分であるミエリン塩基性蛋白の増加が見られます。 ---ミエリン塩基性蛋白(MBP)基準値:102以下(pg/mL) -MRI 脱髄病巣はT2強調画像およびフレア 画像で白くうつります。また、急性期の病変はガドリニウムという造影剤を注射すると、造影剤が漏れ出て白くうつります。脱髄病変に不可逆性の軸索変性が生ずると、T1強調画像で黒くうつります。 -誘発脳波(視覚誘発脳波、聴覚誘発脳波、体感覚誘発脳波) 電気の伝導を脳波で捉える検査法です。脱髄が起こると電線がむき出しになり、電気の伝導が遅くなります。 -抗アクアポリン4抗体の測定 視神経脊髄炎(NMO)では、血液中に抗AQP-4抗体と言われる自己抗体が高率に認められます。 **診断 [#gff83910] **病期 ステージ [#bca0f5ef] **合併症 [#h3e0b85f] **薬 [#dae67915] -アボネックス筋注用(インターフェロンβ) アボネックスは、遺伝子組換え技術を用いて作られています。 症状を直接に改善する薬ではなく、再発を減らし病気の進行を遅らせます。 --副作用 注射した数時間後に、副作用として風邪に似た症状が出ます。発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、倦怠感など 注射部位に反応が起こります。 赤くなる、痛む、腫れる、熱っぽい、皮膚が硬くなる。 白血球数の減少、リンパ球数の減少(重篤なものは稀) 肝機能検査値の異常(重篤なものは稀) -テグレトール錠(一般名:カルバマゼピン) 有痛性強直性痙攣を鎮めます。 -リオレサール錠、ギャバロン錠(一般名:バクロフェン)抗痙縮剤 手足の突っ張りに効果があります。 -バップフォー錠(一般名:塩酸プロピヴェリン) 排尿障害に効果があります。 **治療法 [#a680f902] -パルス療法 急性期には、ソルメドロールという水溶性の副腎皮質ホルモン(ステロイド剤)を500mgまたは1000mgを2~3時間かけて点滴静注します。これを毎日1回、3日~5日間行い1クールとして様子を見ます。症状の改善が見られない場合は、数日後もう1~2クール追加したり、血液浄化療法を行うことがあります。