1: 2018-12-15 (土) 10:38:28 kondo | 現: 2018-12-15 (土) 11:02:50 kondo | ||
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Line 5: | Line 5: | ||
*アルガトロバン水和物 [#sd2a6023] | *アルガトロバン水和物 [#sd2a6023] | ||
''選択的抗トロンビン剤'' | ''選択的抗トロンビン剤'' | ||
- | -ノバスタンHI注 (製薬会社:) | + | -ノバスタンHI注 (製薬会社:田辺三菱製薬株式会社) |
**作用と効果 [#w1adb651] | **作用と効果 [#w1adb651] | ||
+ | -発症後48時間以内の脳血栓症急性期(ラクネを除く)に伴う神経症候(運動麻痺),日常生活動作(歩行,起立,坐位保持,食事)の改善 | ||
+ | -慢性動脈閉塞症(バージャー病・閉塞性動脈硬化症)における四肢潰瘍,安静時疼痛ならびに冷感の改善 | ||
+ | -下記患者における血液体外循環時の灌流血液の凝固防止(血液透析) | ||
+ | --先天性アンチトロンビンIII欠乏患者 | ||
+ | --アンチトロンビンIII低下を伴う患者(アンチトロンビンIIIが正常の70%以下に低下し,かつ,ヘパリンナトリウム,ヘパリンカルシウムの使用では体外循環路内の凝血(残血)が改善しないと判断されたもの) | ||
+ | --ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)II型患者 | ||
+ | |||
+ | -ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)II型(発症リスクのある場合を含む)における経皮的冠インターベンション施行時の血液の凝固防止 | ||
+ | -ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)II型における血栓症の発症抑制 | ||
**用法・用量 [#x60e36ac] | **用法・用量 [#x60e36ac] | ||
- | -下記疾患に伴う神経症候(運動麻痺),日常生活動作(歩行,起立,坐位保持,食事)の改善 | + | -発症後48時間以内の脳血栓症急性期(ラクネを除く)に伴う神経症候(運動麻痺),日常生活動作(歩行,起立,坐位保持,食事)の改善 |
- | --発症後48時間以内の脳血栓症急性期(ラクネを除く) | + | |
通常,成人に,はじめの2日間は1日6管(アルガトロバン水和物として60mg)を適当量の輸液で希釈し,24時間かけて持続点滴静注する。その後の5日間は1回1管(アルガトロバン水和物として10mg)を適当量の輸液で希釈し1日朝夕2回,1回3時間かけて点滴静注する。なお,年齢,症状に応じて適宜増減する。 | 通常,成人に,はじめの2日間は1日6管(アルガトロバン水和物として60mg)を適当量の輸液で希釈し,24時間かけて持続点滴静注する。その後の5日間は1回1管(アルガトロバン水和物として10mg)を適当量の輸液で希釈し1日朝夕2回,1回3時間かけて点滴静注する。なお,年齢,症状に応じて適宜増減する。 | ||
- | ‐慢性動脈閉塞症(バージャー病・閉塞性動脈硬化症)における四肢潰瘍,安静時疼痛ならびに冷感の改善 | + | -慢性動脈閉塞症(バージャー病・閉塞性動脈硬化症)における四肢潰瘍,安静時疼痛ならびに冷感の改善 |
通常,成人1回1管(アルガトロバン水和物として10mg)を輸液で希釈し,1日2回,1回2〜3時間かけて点滴静注する。なお,年齢,症状に応じて適宜増減する。 | 通常,成人1回1管(アルガトロバン水和物として10mg)を輸液で希釈し,1日2回,1回2〜3時間かけて点滴静注する。なお,年齢,症状に応じて適宜増減する。 | ||
Line 23: | Line 33: | ||
(アンチトロンビンIIIが正常の70%以下に低下し,かつ,ヘパリンナトリウム,ヘパリンカルシウムの使用では体外循環路内の凝血(残血)が改善しないと判断されたもの) | (アンチトロンビンIIIが正常の70%以下に低下し,かつ,ヘパリンナトリウム,ヘパリンカルシウムの使用では体外循環路内の凝血(残血)が改善しないと判断されたもの) | ||
--ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)II型患者 | --ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)II型患者 | ||
+ | |||
+ | 通常,成人に,体外循環開始時に1管(アルガトロバン水和物として10mg)を回路内に投与し,体外循環開始後は毎時2.5管(アルガトロバン水和物として25mg)より投与を開始する。凝固時間の延長,回路内凝血(残血),透析効率および透析終了時の止血状況等を指標に投与量を増減し,患者毎の投与量を決定するが,毎時0.5〜4管(アルガトロバン水和物として5〜40mg)を目安とする。 | ||
+ | |||
+ | -ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)II型(発症リスクのある場合を含む)における経皮的冠インターベンション施行時の血液の凝固防止 | ||
+ | |||
+ | 本剤を適当量の輸液で希釈し,通常,成人にアルガトロバン水和物として0.1mg/kgを3〜5分かけて静脈内投与し,術後4時間までアルガトロバン水和物として6μg/kg/分を目安に静脈内持続投与する。 | ||
+ | その後抗凝固療法の継続が必要な場合は,0.7μg/kg/分に減量し静脈内持続投与する.なお,持続投与量は目安であり,適切な凝固能のモニタリングにより適宜調節する。 | ||
+ | |||
+ | -ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)II型における血栓症の発症抑制 | ||
+ | |||
+ | 本剤を適当量の輸液で希釈し,通常,成人にアルガトロバン水和物として0.7μg/kg/分より点滴静注を開始し,持続投与する。 | ||
+ | なお,肝機能障害のある患者や出血のリスクのある患者に対しては,低用量から投与を開始すること。 | ||
+ | 活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)を指標に投与量を増減し,患者毎の投与量を決定する。 | ||
**生活上の注意 [#b266ab8e] | **生活上の注意 [#b266ab8e] | ||
Line 28: | Line 51: | ||
**副作用 [#k64f811b] | **副作用 [#k64f811b] | ||
+ | -脳血栓症急性期 | ||
+ | 血尿等の血小板・出血凝血障害,血管(心臓外)障害(出血性脳梗塞),発疹等の皮膚・皮膚付属器障害 | ||
+ | AST(GOT),ALT(GPT)の上昇等の肝臓・胆管系障害,消化管出血等の血小板・出血凝血障害 | ||
+ | -慢性動脈閉塞症 | ||
+ | 熱感,下肢痛等の一般的全身障害,下痢,嘔気等の消化管障害,発疹,皮疹等の皮膚・皮膚付属器障害 | ||
+ | 出血,血尿等の血小板・出血凝血障害,AST(GOT),ALT(GPT)の上昇等の肝臓・胆管系障害 等 | ||
+ | |||
+ | -血液体外循環 | ||
+ | 下痢 | ||
+ | 血小板・出血凝血障害,赤血球障害,肝臓・胆管系障害,代謝・栄養障害,白血球・網内系障害 | ||
+ | |||
+ | -ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)II型における血栓症の発症抑制 | ||
+ | 出血関連,肝障害,皮疹 等 | ||
***重大な副作用 [#ca64e8d0] | ***重大な副作用 [#ca64e8d0] | ||
- | - | + | -出血性脳梗塞 |
- | - | + | 脳血栓症急性期の患者に使用した場合,出血性脳梗塞があらわれることがある。 |
- | - | + | -脳出血,消化管出血 |
- | - | + | -ショック・アナフィラキシーショック |
+ | 蕁麻疹,血圧低下,呼吸困難 等があらわれることがある。 | ||
+ | -劇症肝炎,肝機能障害,黄疸 | ||
+ | 劇症肝炎等の重篤な肝機能障害,黄疸があらわれることがある。 | ||
- | - | ||
- | - | ||
Line 39: | Line 78: | ||
***その他の副作用 [#ebf2992d] | ***その他の副作用 [#ebf2992d] | ||
- | |BGCOLOR(#d3d3d3):副作用|BGCOLOR(#dcdcdc):5%以上|BGCOLOR(#dcdcdc):1~5%未満|BGCOLOR(#dcdcdc):1%未満|BGCOLOR(#dcdcdc):頻度不明| | + | |BGCOLOR(#d3d3d3):副作用|BGCOLOR(#dcdcdc):5%以上|BGCOLOR(#dcdcdc):0.1~5%未満|BGCOLOR(#dcdcdc):0.1%未満|BGCOLOR(#dcdcdc):頻度不明| |
- | |血液及びリンパ系障害||||| | + | |血液及びリンパ系障害|-|凝固時間の延長,出血,血尿,貧血(赤血球,ヘモグロビン,ヘマトクリット値の減少),白血球増多,白血球減少,血小板減少|-|-| |
- | |肝臓||||| | + | |肝臓|-|AST(GOT)上昇,ALT(GPT)上昇,Al-P上昇,LDH上昇|総ビリルビン上昇,γ-GTP上昇|-| |
|肝胆道系||||| | |肝胆道系||||| | ||
- | |腎臓||||| | + | |腎臓|-|BUN上昇,クレアチニン上昇|-|-| |
|泌尿器||||| | |泌尿器||||| | ||
|生殖系及び乳房||||| | |生殖系及び乳房||||| | ||
Line 53: | Line 92: | ||
|錐体外路症状||||| | |錐体外路症状||||| | ||
|循環器 心臓||||| | |循環器 心臓||||| | ||
- | |血管||||| | + | |血管|-|-|血管痛,血管炎|-| |
|呼吸器||||| | |呼吸器||||| | ||
- | |消化器||||| | + | |消化器|-|嘔吐,下痢|食欲不振,腹痛|-| |
|皮膚・皮下組織系||||| | |皮膚・皮下組織系||||| | ||
- | |過敏症||||| | + | |過敏症|-|皮疹(紅斑性発疹等)|そう痒,蕁麻疹|-| |
|下垂体・副腎皮質系||||| | |下垂体・副腎皮質系||||| | ||
|免疫系||||| | |免疫系||||| | ||
Line 67: | Line 106: | ||
|感染症||||| | |感染症||||| | ||
|抵抗機構||||| | |抵抗機構||||| | ||
- | |その他||||| | + | |その他|-|頭痛|四肢の疼痛,四肢のしびれ,ふらつき,不整脈,心悸亢進,熱感,潮紅,悪寒,発熱,発汗,胸痛,過換気症候群,呼吸困難,血圧上昇,血圧低下,浮腫,腫脹,けん怠感,血清総蛋白減少|-| |
|臨床検査||||| | |臨床検査||||| | ||
//**ジェネリック医薬品 [#w289d7bd] | //**ジェネリック医薬品 [#w289d7bd] | ||
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- ノバスタンHI注 のバックアップ一覧
- ノバスタンHI注 のバックアップ差分(No. All)
- 1: 2018-12-15 (土) 10:38:28 kondo
- 現: 2018-12-15 (土) 11:02:50 kondo
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